5.1.2 手法2(スパースコーディング)




【テクスチャ構造の低減処理】

2種類の対象画像それぞれに対し,2.3節で述べた手法を用いてテクスチャ構造の低減処理を行った.まず,図6に示すパワースペクトルのピークよりテクスチャ構造の周期を求める.2種類の対象画像それぞれをテクスチャ構造の2周期分に相当する縦22$ \times$横21画素のブロックに分割し,式(13)の$ P$を15として以下の処理を行った.スパースコーディングにより求めた基底画像を図14に示す.図14より,スパースコーディングにより求めた基底画像は対象画像の平均的なテクスチャ構造を表していることがわかる.これらの基底画像を用いて対象画像を近似した画像を得た.また,対象画像と近似画像の差をとることによりテクスチャ低減画像を得た.白色LEDを光源として撮影した布画像の近似画像を図15(a)に,テクスチャ低減画像を図16(a)に示す.同様に,近紫外LEDを光源として撮影した布画像の近似画像を図15(b)に,テクスチャ低減画像を図16(b)に示す.図16より,対象画像のテクスチャ成分が低減されていることが確認できる.

図 14: 基底画像
\scalebox{1.2}{\includegraphics{image/coffee/sparse/Rbasis.eps}} \scalebox{1.2}{\includegraphics{image/coffee/sparse/Gbasis.eps}} \scalebox{1.2}{\includegraphics{image/coffee/sparse/Bbasis.eps}}
(a)R成分 (b)G成分 (c)B成分

図 15: 近似画像
\scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/approach_w.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/approach_b.eps}}
(a)白色LED (b)近紫外LED

図 16: テクスチャ低減画像
\scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/lowtexture_w.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/lowtexture_b.eps}}
(a)白色LED (b)近紫外LED





【PCAを用いた無相関化】

2種類のテクスチャ低減画像それぞれのRGB成分同士の差分の三乗の画素値ベクトル $ y$$ [m,n]$に対し,3節で述べた手法を用いて無相関化を行った結果を図17に示す.図17より,汚れ部分が全ての成分で鮮明化されていることが確認できる.
図 17: 無相関化成分画像
\scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/uncorrelate0.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/uncorrelate1.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/uncorrelate2.eps}}
(a)第0成分 (b)第1成分 (c)第2成分





【ICAを用いた独立成分の抽出】

無相関化を行ったベクトル $ Y$$ [m,n]$に対し,4節で述べた手法を用いて独立成分に分解した結果を図18に示す.第2成分で汚れ部分が鮮明化されていることが確認できる.
図 18: 独立成分画像
\scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/ICA0.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/ICA1.eps}} \scalebox{0.5}{\includegraphics{image/coffee/sparse/ICA2.eps}}
(a)第0成分 (b)第1成分 (c)第2成分