電子情報工学科 教育用モバイル計算機環境
まえがき
情報教育の拡大化/高度化のため、学生が日常的に情報端末に接しうる環境の整備が
不可欠となっています。
このため、学生が自由にアクセスできるモバイルPCシステムと、NTサーバシステムが
平成9年度大学改革推進経費により電子情報工学科に導入されました。
ネットワークに接続すれば、IPアドレスの設定などを自動で行ってくれる
モバイル環境を実現しています。
これにより、
電気コンセントにプラグを差したら、AC電力の供給が受けられるのと同じように、
情報コンセントにケーブルを接続したら、
ネットワークに論理的に接続できます。
ただし、接続するパソコンをモバイル環境用に設定する必要があります。
モバイルPCシステムは設置場所が制約されないため、
講義のみならず演習・学生実験など広範囲/多目的に利用可能で、
コンピュータリテラシー能力の大幅な向上が予想されます。
システム構成
システムは大きく分けて、サーバとノートパソコンからなっていて、
構成としては、以下のようになります。
- サーバ
-
- OS…WindowsNT Server Ver4.0
- CPU…Pentium Pro 200MHz x 2
- Mem…192MB
- HD…2GB x 5
- NIC…100Base-T x 2
- Backup…DDS-3
- ノートパソコン
-
- OS…WindowsNT WorkStation Ver4.0
- CPU…Pentium 100MHz
- Mem…40MB
- HD…810MB
- LCD…800x600 DSTN ( Chip & Technology 65550 )
- Sound…Sound Blaster互換
提供サービス
サーバでは、以下のサービスを提供してます。
- ネットワークドライブとしてのユーザのフォルダ提供
- WindowsNT Domain ( ドメイン名 = djedu-nt ) でのユーザ認証
- メイルサービス ( POP3, EMWAC-IMSを利用 )
- DNSサービス ( キャッシュサーバ )
- WINSサービス
- DHCPサービス ( 133.16.43.0のセグメント )
上記のDHCPサービスにより、DHCPクライアントの設定をしたWindowsパソコンに対して、
IPアドレスの自動割り当て、
Default Gateway AddressやWINS Server Address, Domain名などの通知が行えます。
このサービスが、モバイル環境を支えています。
ノートパソコンでは、以下のような利用ができます。
- Windows Messaging Systemを利用したInternet Mailの読み書き
- Internet Explorerを利用したHome Pageのブラウズ
- Word97, Excel97によるレポートなどの文書作成
- VisualJ++によるJAVAプログラミング
利用
平成9年度前期には、電子情報工学概論の少人数セミナーの一部で、
テーマを決めて、Home Pageを利用した情報検索などを行ないました。
平成9年度後期は、電子情報工学実験Iのデータ処理(40人規模が3クラス)で、
Excel97でのデータ処理とグラフ化、Word97によるレポート作成を計画中です。
平成9年8月22日に開かれた大学説明会では、
大学案内のCD-ROMのブラウズ用パソコンとして、
ノートパソコンが活躍しました。
あとがき
学生が自由にパーソナルコンピュータにアクセスできる環境が実現し、
日常的な利用が可能と成ったので、
- 学生の電子メール等の利用が進みコンピュータリテラシーの向上
- WWWサーバアクセスによりインターネットワークを介した情報収集技術ならびに「標準言語」である英語能力の向上
- 情報処理演習科目の自習が可能でプログラミング能力の向上
が実現されることが予想されます。
電子情報工学科では、平成3年度より教育用計算機システムの運用を行っており、
UNIXワークステーションによる情報処理関係の講義・演習が行われています。
しかしながら、
世間では、UNIXワークステーションによるクラスターシステムから、
WindowsNTによるクラスターシステムへと移行が進んでいます。
今回のWindowsNTによる教育環境は、
UNIX文化とは異質なWindows文化によるものであり、
今後、両文化をどのような形で統合・利用していくかが課題となります。
システムを構築・運用しての感想・メモ
DHCPの利用
Mobile環境を実現するために、NT ServerでDHCPサービス
- IPアドレスの割り当て
- WINSサーバアドレスの通知 ( NT WSのLMHOSTSの記述はなし )
- Default Gatewayアドレスの通知
- DNSアドレスの通知
- Domain Nameの通知
各PCが固有の情報としてもっているのは、コンピュータ名のみ
電子メイルサービス
POP3, SMTPのサービスをするために -> EMWAC IMSを利用
Windows NT WorkStationについて気づいたこと
- システムファイルのセキュリティが甘い
リソースキットなどを参照して、厳しくする必要あり
- User Profileは、logon時にServerから取ってきて、logout時にServerに返す
- User Profileを移動Profileとしても、WSの方に残る
- Applicationの一部は、User ProfileのPersonalをDocumentの保存場所にしている
変更の必要あり
- Word97
- 「ツール」 -> 「オプション」 -> 「既定のフォルダ」 -> 「文書」
- Excel97
- 「ツール」 -> 「オプション」 -> 「カレントフォルダ」
- PowerPoint97
- 「ツール」 -> 「オプション」 -> 「ファイルの場所」
- NT WorkStationからサーバを管理するTool
( NT Server4.0のCD-ROMの\Clients\srvtools\winnt )
- ドメインユーザマネージャ(usrmgr)
- ユーザポリシーエディタ(poledit)
- サーバマネージャ(srvmgr)
- DHCPマネージャ(dhcpadmn)
- WINSマネージャ(winsadmn)
- 各PCの時刻がかなりくるう(Note PCでAC接続せずに放置しているから?)
"NET TIME \\servername /set /yes"をNT WSで実行すると、
servernameと時刻の同期を取ってくれる
UNIX User、UNIXシステムの管理者としての
NTシステムについての感想
- 個人環境設定
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- UNIXの場合、個人環境設定ファイルが
Home Directory上にtext fileとしてある
- NTの場合、個人環境設定は、User Profileとして存在する
- 共有
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- UNIXの場合、File Systemの共有、プリンタの共有
/etc/exports, /etc/hosts.lpdで設定
- NTの場合、何でも"共有名"で共有
- システム設定
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- UNIXの場合、設定ファイルはText File
- NTの場合、GUIソフト
何をしているかわかりにくい
GUIだが、細かな設定ファイルが必要なものもある
- 使用感
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- UNIXシステムのResponce速度 > NTシステムのResponce速度
- NTの技術者
-
- スキルの高いNTの技術者が少ない
- パソコンのとしての発想しかなく、システム的な発想がない